商用利用が可能なAIアート用画像生成AI、EmiとManga Diffusionを無償公開
はじめに
※こちらの記事はnoteで公開しているものと同様のものとなります。
https://note.com/aipicasso/n/ncd7c133c3bc2
こんにちは、AI Picasso社の開発チームです。今日は、皆様に重要なお知らせがあります。AIアート用画像生成AI、Emi (Ethereal master of illustration) を商用利用可能で無償公開します。この画像生成AIは商用利用が可能であり、追加学習において無断転載画像を学習していません。
Emiは以下のURLにて無料で利用することができます。
https://huggingface.co/spaces/aipicasso/emi-latest-demo
Emiは以下のURLから無料でダウンロードできます。
https://huggingface.co/aipicasso/emi
また、Emiと同時にクリーンな画像生成AI、Manga Diffusionの概念実証版も公開します。この画像生成AIはパブリックドメインの画像や著作権者から学習を許可された画像だけを学習しています。
https://huggingface.co/aipicasso/manga-diffusion-poc
(以下、画像生成AIのことをモデルとも呼びます。)
Emiの特徴
1.AIアートに特化
このモデルは、アニメやマンガのようなAIアート生成に特化しています。最先端の開発機材H100と画像生成Stable Diffusion XL 1.0、 AI Picasso社のノウハウを用いて高品質な画像が生成されるように尽力しました。 参考として簡単な生成例を以下に紹介します。
比較のために、これまでのモデルと今回のモデルでほぼ同じ内容を生成した例を示します。これまでの生成画像よりも約2倍高精細になり、最近の画風になるように調整しました。
2.追加学習における無断転載画像不使用
AIアート用モデルの中には追加学習に際して、Danbooruなどの無断転載サイトにある無断転載画像を学習しているとX (Twitter) にて公表しているものもあります。しかし、Emiは、このような無断転載画像を追加学習しておりません。
3.商用利用可能
ライセンスについては、これまでのモデルとは違い、商用利用可能です。 これには2つの理由があります。
1つ目は画像生成AIが普及するに伴い、創作業界に悪影響を及ぼさないように、マナーを守る人が増えてきたと感じているためです。
2つ目は他の画像生成AIが商用可能である以上、非商用ライセンスである実効性がなくなってきたためです。他の画像生成AIの中には情報漏洩したモデルが含まれているものが商用利用可能と表示されていることがあります。このようなモデルを利用することは不正競争防止法に違反するおそれがあります。本モデルは、そのようなおそれはなく、利用者の皆さまにとって安心して使っていただけます。また、本モデルを安心して使いやすくするためにも、Stable Diffusion XL 1.0と同じ一般的なライセンスに変更しました。
クリエイターとの活動
クリエイターとの協力
我々はクリエイターと密に連携しています。データの提供に対する適切な報酬や、生成されたイラストに対する利益配分の仕組みを取り入れています。その一つの取組みとしてAIいらすとやがあります。AIいらすとやは、いらすとやを運営する、みふねたかしさんと約1年相談して画像とその説明文を学習に提供していただけることになりました。我々はそのような長期的な関係を築き、クリエイターの方々に信頼していただけるように努力を重ねています。
クリエイターとの対話
Emiはクリエイターの方々の声を聞きながら作りました。最初のバージョンを公開する際にはX上で活発な議論を行いました。デモを先に公開し、問題がないか確認した上でAIの公開に踏み切りました。今では、このモデルだけではなく、他のモデルを含めたモデルのあり方について、クリエイターの方々とXやDiscord上などでお話しさせていただいております。
クリーンなAIの開発
クリエイターの方が著作権のことや抵抗感のことで悩まされないように、これまで「クリーンなAI」を開発チームはひたむきに考えてきました。世界初となるパブリックドメインの画像のみで作られた画像生成AI、Clean Diffusionの実験モデルを公開しています。
このClean Diffusionの開発は個人で始まりました。しかし、現在では、世界的な生成AIの複数社と相談することもあり、社会問題として考えるようになっております。
Manga diffusionの開発
「クリーンなAI」を目指す上で、権利問題を解決することは必要となります。今回のManga diffusionは権利問題はすべて解決されているモデルになります。Manga DiffusionはパブリックドメインやCC-0のみを学習しているモデルをベースに、東大の相澤先生や著作権者から学習の許可を頂いた漫画用データセットManga 109sデータセットを追加学習しています。ただし、表現力の限界から今回はあくまで概念実証、つまり技術上可能であることの証明として提供させていただきます。概念実証版Manga Diffusionでは次のような画像を生成することができます。
現状は、背景の生成に使うことを想定しています。今後はこのモデルなどをベースとして、CC-0の3Dモデルなどを用いてクリエイターの方々にとって使い勝手が良いモデルを開発していくことを予定しています。
まとめ
EmiやManga Diffusionは、AIアートの将来を考えた商用利用可能な画像生成AIです。賛否はあるかもしれませんが、それでも我々はこの画像生成AIが持つ可能性を信じています。質問や懸念があれば、どうぞ以下連絡先にお知らせください。
連絡先
付録
名前の由来
Emiは絵美と笑みから名付けられました。絵美は絵と美術そのままです。笑みのほうはEmiを使う人に笑顔を、Emiを使った作品を見た人にも笑顔を届けたいという思いからつけました。英語もEtherealという、この世のものとは思えないほど美しいという意味を持つ言葉を用いました。
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